インタビュアー
参加者
●みんなのえんにち・・・・・・ボンちゃん・すずちゃん
井澤：農家のみかたさんは、どんなお仕事をされているのですか？
坂部：農家さんが使う肥料・農薬・農業機械・農業資材の販売を通して、日本の農家のみなさんをサポートしている会社です。簡単に言うと「農家さん向けの商売」です。
井澤：農機具とか、肥料とかですね。
坂部：そうですね。すずらんさんでも草を刈ったりされると思いますが、その時に使う円盤の回る機械を売ったり、虫が付いたら消毒するための機械も作っているし、農薬も売っています。
井澤：大変なお仕事ですね。
坂部：大変ですけどすごくやりがいがあります。我々がいないとみなさんが食事をすることすら出来ない、だから実は僕らが日本を支えているんです。と、勝手に思ってます！
一同：笑
玉垣：農家さんも高齢化していて、お仕事の効率化とか機械の導入とか、それぞれにご苦労がおありではないでしょうか？
坂部：もう、おっしゃる通りですよ。例えばコンバインという稲刈りの機械ですね、使う日は年に10日くらい。それを7年や10年払いで農家さんは買うんですけど、一番高いものだと1,500万円。まあフェラーリに年10日しか乗らないのと一緒なんですよ。フェラーリは軽自動車で代用が効くけど、コンバインは他ものものでは代用が効かないから大変なんです。 米の値段が上がったとニュースになっていますが、あれで普通になったんですよ。 あと倍の値段になったら「良かったね」になるのでしょうが、これが現実だなと思います。
すず：私のお友達の米農家さんも大変そうだよ。
玉垣：消費者としてはきついところなのですが、そうなのでしょうね。
坂部：1反当たり10万円から12万円の経費がかかっているんです。人件費は除いたものです。そこからだいたい7俵のお米がとれて、今までは1俵12,000円で売っていた。そうすると利益が1反当たり94,000円で、農家さんは赤字なんです。 それを1俵25,000円くらいにすると利益が約18万円になって、やっと「米を作ってもいいかな」というラインになったんです。
玉垣：人件費が要りますからね。
坂部：農家さんに「時給いくらで計算するんですか？」と聞いたら「農家は人件費なんて考えたらいかん！」と言われました。 そのような方々を相手に商売をしているので「支えるんだ」という視点持って仕事をしています。 社名も「農家のみかた」ですから！
一同：笑
井澤：農家のみかたさんで特に力を入れておられるところは何でしょうか？
坂部：農家さんたちに、自分たちのしている仕事に対して誇りを持ってもらうこと、良い作物を作ってもらうことです。それに対して僕らは全力で支援します。我々が出来ることはこの1点しかないです。
良い作物を作ると、畑や田んぼがキレイになるんです。ぺんぺん草が生えている畑に比べて「管理」されているキレイな畑は、バイヤーさんたちが見て感動します。
雑草が生えている畑でも一定量の収穫はありますが、雑草にまで心を配れる、管理されている畑の作物は味が違うことをバイヤーさんは知っています。
農家さんが想いを持って畑と向き合い、管理されているということは「価値」を提供していることなんです。
そこを支えているのが我々なので、農家さんを訪問して作物を見て、肥料のアドバイスなどをします。僕らは畑を一緒にプロデュースしているプロデューサーなんです。
玉垣：現場に行って畑の状態を見て分析されるのですね。
坂部：そうです。
井澤：素晴らしい！
玉垣：本当に「みかた」ですよね。肥料などの調整が得意でない方もおられるでしょうからね。
坂部：1年に1回しか作らないから、悩まれるんですよ。同業者に聞きづらいし、プライドも邪魔するし。そんな時に僕らが呼ばれて相談に乗ります。知見を踏まえて「この農薬はいかがですか？」などとお勧めしたりします。そこで「助かった！」と言われるとやりがいにつながりますよね。
井澤：農家さんにとってありがたいでしょうね。
井澤：お仕事の魅力、面白いところを聞かせてください。
坂部：農産物や畑を通じて、農家さんの人柄に触れられるところが魅力でしょうね。人対人です。
農業を何十年とされてきたプロの方もいれば、まだ経験が浅い方もいる。私たちを通じてその方々が交流出来るんです。経験豊富な農家さんの真似をしたいからサポートして欲しいと頼まれたり、農家さん同士を引き合わせたら新しいお客さんが出来たり、人と人とのつながりが財産になっていきますね。
井澤：農家さん同士の交流の手助けをされるというのは、大変なことだと思います。
坂部：自分たちが意図していなくても「この人とこの人がつながったら良いな」と思ってやるだけで、そこから財産が生まれてくるんですよ。不思議と和が出来てくる。
玉垣：パイプ役になられているわけですね。
坂部：はい、その通りです。人と人が出会って。
井澤：良い仕事ですね！
井澤：ご苦労とか工夫されているところはないでしょうか？
坂部：苦労ですね…、やっぱり結果が出ないこともあるんですよ。そんな時は農家さんと一緒に畑でしょんぼりします。悔しいです。
玉垣：そうですよね、自然相手ですもんね。
坂部：この前も強風でブロッコリーの苗が全部倒れたんです。植えてすぐの、根っこがくっつく前は風で振られると倒れちゃうんです。それを見たら、もう言葉が出ないですよね。
トマトも、皮が割れたりコブができると出荷できなくなるし、そんなトマトが八代地域だけで年間300トンになるんです。山のようにハウスの横に捨ててある。それも苦労ですね。
ただ、そんなトマトを買い取って農家のみかた内でミートソースを作ったりしています。子ども食堂をやりたいと思っていて、そこでミートソースパスタを子どもたちに提供したいですね。
ボン：ミートソース！
玉垣：トマト、もったいないですもんね。期待しています！
井澤：西区の魅力や期待などがあれば教えてください。
坂部：熊本市の一大農業生産地ですよね。熊本市の食糧事情を支えている地域だと思います。キャベツ、玉ねぎ、じゃがいも、ナス、米。我々は今は八代を拠点にしていますが、南区の営業所から西区はとても近いので、僕らの活躍できるフィールドがたくさんありますね。
あと、必要以上にゴミゴミしていない、高橋稲荷神社を含めた歴史的な建造物がある、海の玄関口でもある。アクセスもとても良いですよね。あまりこれ以上都会化してほしくないかな、今のままが一番良いですね。
玉垣：取材をしていて私も改めて西区の魅力に気が付きました。
ボン：だよね、好きだったことに気づくよね。西区は豊かだから、僕もどんどん好きになっていってるよ！
すず：私もますます好きになっているよ！
井澤：お仕事を通じて地域に貢献したいことがあれば教えてください。
坂部：西区の生産者さんたちが今後もずっと農業を続けられるよう私たちが支えていきたいです。
相場で高かったり安かったり、苦しい時もあるし、自然災害もあります。
そんな時、僕らが出来ることは企業理念である「農を励ます」ことだと思います。
「がんばれ！」と応援するのも、「素晴らしい！
よくやりましたね！」と承認するのも「励ます」なんです。そんな形で西区の生産者の皆さんとも関わっていきたいです。
井澤：素晴らしい企業理念ですね！
井澤：最後に、西区にお住まいの方へメッセージをお願いします。
坂部：はい、西区は先ほどの話で出たように大変魅力がある地域です。今のままで、ありのままで素晴らしい。
山もあり海もあり自然豊かで農業が盛んです。
農業をひとつの産業として、みなさんと新しい仕事づくりをしていきたいです。
非常に永続できる地域ではないかと思っています。
みんなのちいきで取り組まれている、みんなが手を取り合うような活動を今後も継続して、盛り上がって良い人たちがたくさん入って来てくれると良いですね。
農業でがんばっている方、よろしくお願いします！
一同：笑
井澤：反対に坂部さんからすずらんへ質問はありますか？
坂部：井澤さんはすずらん通信の編集員をされていますが、なぜ広報をしようと思ったのですか？
井澤：みなさんに自分たちがしていることを知ってもらいたいからです。ひとつの宣伝ですね。
坂部：発信しないと、その情報を知らずにいる方々がたくさんいますよね。そこに関わるために広報をされているんですね。
井澤：はい。いろんな人に出会えるし、知ってもらえれば嬉しいです。
坂部：素晴らしい！だから伝わるんですね。
すず：井澤さんはがんばっているし、楽しんでるよね。
坂部：それが一番です！楽しい組織にしか人は集まって来ないです。
井澤：これからもがんばります！
ボン：今日はありがとうございました！
一同：ありがとうございました！
